用語辞典

「OJT」の意味

OJTとは「オン・ザ・ジョブトレーニング」の略称で、企業内で行われる教育のことをいいます。具体的には、職場の上司や先輩が部下や後輩に対して、仕事を通して必要な知識、技術、技能や態度などを意図的・計画的・継続的に指導して習得させることです。これに対し、社外での研修などはOFF-JTと呼ばれています。 OJTは、もともとアメリカの造船所での人員不足を解消するために考案された職業訓練法が基になっています。その訓練法は大きく下記の4つのステップがありました。
1.新人を適切な場所に配置し、彼らの予備知識を把握します。
2.作業を実際にして見せ、ポイントを強調して説明します。
3.新人に作業を行わせます。できるだけ新人に行っている作業について自ら説明してもらうとなおよいです。
4.頻繁に作業をチェックし、必要なフォローを行います。
実際のOJTでは新入社員に対し、入社3年目前後の先輩が指導者として実務について教育するケースが多いです。しかし、指導者側に指導力が欠けていると新入社員の能力を伸ばすどころか、可能性の芽を摘んでしまう結果にもなりかねませんので、上司は指導者役を指名する際には指導力も考慮する必要があります。 指導を受ける新入社員は、出来るだけ実務の中で仕事を覚え、OJTの成果が仕事の成果に結びつくことを意識し、自らの成長が企業の成長に直結するのだという気概を持って取り組みましょう。 指導者となった際に心がけるべき点は、意図的・計画的・継続的に指導をすることであり、決して自らの感情やその場しのぎの対応で指導に当たることがあってはなりません。実際の作業だけでなく、「どの分野に関しては誰が詳しい」などといった社内でのコミュニケーションに関することも伝えるとよいでしょう。指導者の指導力や指導法に問題がある場合には、周囲の人が適切なアドバイスを行い、新入社員に対するケアも考慮して、社内全体で人材を育てていくようにすることが大切です。